ポリビニルピロリドン

高耐熱性水溶性ポリマー
親水性付与剤・分散剤

ポリビニルピロリドン

ポリビニルピロリドンの概要

ポリビニルピロリドンは非イオン性の水溶性ポリマーで、以下のような種々の特長を有し、幅広い様々な用途・分野への適用が可能です。

  • 種々の有機溶剤への溶解性
  • 種々の樹脂との相溶性
  • 吸湿性
  • 成膜性
  • 接着性
  • 錯形成能
製品名ポリビニルピロリドン
構造式
CAS No.9003-39-8
化審法番号(6)-1048
安衛法番号化審法番号準用

日本触媒製PVPの特徴

高純度のNVP(N-ビニル-2-ピロリドン)モノマーを重合しているため、着色や不溶物が少なく、経時安定性に優れます。

NVPのガスクロマトグラフチャート

NVP以外のピークが確認されない

NVPの外観  左:日本触媒品、右:他社品

優れた経時安定性

空気存在下でのK値の低下が少なく、高い経時安定性を示します。

ポリビニルピロリドンの基本物性

優れた吸湿性

他の水溶性非イオン性ポリマーと比べて、高い吸湿性を示します。

優れた密着性

様々な基材との密着性に優れます。

基材判定
PETフィルム○(剥離無)
ナイロンフィルム
軟質塩ビフィルム
PPフィルム(コロナ処理)
PPフィルム(非処理)×(剥離)
エポキシ樹脂
ウレタン樹脂
Fe
AI△(一部剥離)
ガラス
方法:粘着テープ剥離(25 ℃、65 %RH)

優れた耐熱性

他の水溶性非イオン性ポリマーと比べて、高い耐熱性を示します。

PVP:ポリビニルピロリドン、PVA:ポリビニルアルコール、PEO:ポリエチレンオキサイド

優れた親水性

樹脂に混練すると樹脂表面を親水化することができます。

PETの例

添加なしPVP 5 %添加
接触角81.4°67.0°
表面の水滴の様子
CB汚染前後のΔL値-32.1-9.0
※ΔL値=(CB汚染⇒水洗後のL値)−(CB汚染前のL値)

優れた分散性

CB、CNTを良好に分散させることができます。

CBの例

左:分散剤無し、右:PVP K30添加

CBを水に分散させ1週間静置後の状態

CNTの例

左:分散剤無し、右:PVP K30添加

CNTを水に分散させ1日静置後の状態

電池スラリー中でもカーボン材料を良好に分散させることができます。

同一処方での粘度比較

PVP K30 0.1 %添加でスラリーの大幅な粘度低減
⇒ スラリーの高濃度化が可能

塗膜の剥離強度

PVP K30 0.5 %添加で剥離強度が1.3倍に

ポリビニルピロリドンの用途例

電池の分散剤

電池の分散剤

透析/水処理用膜の相溶化剤、親水化剤、空孔形成剤

透析/水処理用膜の相溶化剤、親水化剤、空孔形成剤

感圧接着剤、再湿潤接着剤、食品包装接着剤(非接触)

感圧接着剤、再湿潤接着剤、食品包装接着剤(非接触)

セラミック用バインダー

セラミック用バインダー

インキ・印刷用分散剤、テキスタイル用汚れ防止剤・サイジング剤

インキ・印刷用分散剤、テキスタイル用汚れ防止剤・サイジング剤

パーソナルケア用のセット剤、増粘剤、湿潤剤

パーソナルケア用のセット剤、増粘剤、湿潤剤

半導体

半導体