
防錆塗料用途エマルション
防錆塗料の水系化対応。防錆効果向上に貢献した有機無機ハイブリッドエマルションとは?
環境対応が進められる外装向け塗料。水系塗料の防錆効果を向上させたエマルション技術!
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防錆性+耐候性に優れた水系塗料用途エマルション
「防錆(ぼうせい)技術」とは、金属が腐食因子である酸素や水、イオンと反応して錆びるのを防ぐ技術のことです。金属が錆びると耐久性や美観に悪影響を与えるため、錆を防ぐ技術が種々検討されています。その中でも防錆塗料の使用は有効な手段の1つで、防錆塗料は金属表面に保護膜を形成し、腐食因子である酸素や水、イオンの侵入を防ぎます。これにより、錆の発生を抑え、金属の寿命を延ばすことができます。防錆塗料は、建築物、工場設備、自動車や船舶など、多くの分野で使用されその効果が広く認められています。
防錆に必要な性能 = 腐食因子(酸素、水、イオン)を遮断すること |
当社従来技術 | ユーダブルFS:有機無機ハイブリッドエマルション |
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水分により塗膜が膨潤し、腐食因子が侵入しやすくなります。 | 高密着・緻密な塗膜が塗膜の膨潤を防いで腐食因子をブロックし、防錆効果を発揮します。 |
従来技術 | ユーダブルFS採用技術 | |
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設計 | アクリル 低Tgアクリルによる高造膜性 | アクリル 低Tgアクリルによる高造膜性 ✕ ハイシリコン ポリシロキサン架橋による高硬度 |
メリット | ・高造膜性のため金属への密着性が高い | ・高造膜性のため金属への密着性が高い ・架橋型シリコーンによる高硬度 →緻密な塗膜に高い防錆性を有する |
デメリット | ・低Tgで塗膜弾性が低く防錆効果△ | ー |
【塗料配合】
ユーダブルFS(当社エマルション)、成膜助剤、顔料ペースト(酸化チタン)、消泡剤、増粘剤
【塗膜作成方法】
基材:SPCC-SB鋼板 #240研磨
膜厚:dry50μm×1回塗り
乾燥条件:100℃ 30分乾燥
【評価方法】
試験方法:塩水噴霧(SST)試験
試験条件:JIS Z2371に準拠
試験時間:約100時間(※200時間以上防錆性を発揮する開発品もございます)
ユーダブルFS | 従来技術(アクリル系) | |
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MFT (°C) | < 0 | 25 |
接触角(試験前) | 88° | 84° |
接触角(試験後) | 88° | 64° |
ユーダブルFSは高い耐候性を持ち、経時的にも高い防錆性を示します。
光沢保持率80%以上 (Gs/60°) | |
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エポキシ系下塗り エポキシウレタン(溶剤系) | 120h未満 |
弱溶剤2液 エポキシウレタン(溶剤系) | 360h未満 |
重防食用上塗り フッ素(溶剤系) | 960h以上 |
ユーダブルFS(水系) | 960h以上 |
【塗料配合】
ユーダブルFS(当社エマルション)、成膜助剤、消泡剤、増粘剤、顔料ペースト(塗料PVC 13.5%)
【塗装条件】
基材:スレート板(溶剤系シーラー塗布済)
膜厚:dry100μm×1 回塗り
乾燥条件:室温7日間
【SUV条件】
照射:8h (63℃RH50%)
湿潤:4h (35℃RH90%)
計12h/1 サイクルで実施
防錆性と耐候性を一材化できる可能性がある材料として、有機無機ハイブリッドエマルションに着目しました。
防錆性と耐候性を塗膜1層で発現させることで複層塗膜を一材化 塗り重ね回数の削減により省工程化や工期短縮が期待できる |
ユーダブルFSを使用することでVOCフリー、PFAS規制対応などの環境に配慮した製品設計が可能です。
アクリル樹脂の一部原料にバイオマス原料の付加をすることが可能です。