
アクリルエマルション
アクリルエマルションの基礎~応用まで詳しく解説!
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水系コーティング剤の性能向上 コーティングメーカー Z社 製品開発部
アクリルエマルションの基本ガイド。メーカーが解説する設計と機能発揮のポイント!
各種コーティング剤の製造・販売を行うメーカーのZ社。入社3年目で研究者のRさんは、VOC排出規制に対応する水系コーティング剤の開発に取り組むことになった。
Z社で新しい用途向けのコーティング剤を開発することになり、Rさんたちに上司から開発方針が伝えられます。
「安全性への配慮やVOC排出抑制への対応のため、溶剤系ではなく水系で設計してほしいとのことでした。これまで溶剤系をメインに製品開発してきたので、水系コーティング剤の特性に対応するための調査が必要だと感じました」(Rさん)
また、十分な耐候性と耐水性が必要とのことで、ベースの樹脂としてはアクリルエマルション系樹脂を選択しました。
「エマルション系樹脂をベースにすると、乾燥後の塗膜のべた付きが発生することや、汚れがつきやすいこと、塗膜の強度と可とう性のバランスをとることが課題になりました」(Rさん)
開発を進める中で、製品の粘度設計や塗工性など複数の課題も見えてきます。そんな時に、Rさんは別の部署の先輩社員のWさんと休憩スペースで出くわします。「最近どう?元気にやっている?」という声掛けに、Wさんがアクリルエマルション系樹脂を検討していたことを思い出し、相談してみることにしました。
「担当しているテーマで、アクリルエマルション系樹脂をベースとして新しい用途向けのコーティング剤の開発をしているのですが、苦戦しているんですよね・・・。以前、アクリルエマルションを検討されていたと思いますが、アドバイスいただけないでしょうか?」(Rさん)
すると、先輩社員がこんなことを言いました。「以前の担当製品で、日本触媒の樹脂を検討したことがあるけど、アクリルエマルション技術に定評があるだけあって、良い提案が多かったよ。最近、エマルション技術を詳しく説明するページも開設されて、とっても勉強になるよ。あとでURLを共有するね!」
安全性への配慮やVOC排出抑制のため、溶剤系ではなく水系のコーティング剤を開発することになった
耐候性や耐水性が求められるため、アクリルエマルション系樹脂をベースにすることに決定した
乾燥後の塗膜のべた付きや耐汚染、塗膜の強度と可とう性のバランスをとることなど、多くの課題が出てきている
日本触媒では、塗料やコーティング剤、接着剤など幅広い用途に使用可能なアクリルエマルションを複数取り扱っている
アクリルエマルションを基礎から解説するページがあり、特徴やコアシェル構造の設計について詳しく知ることができた
日本触媒のアクリルエマルションの設計技術で成膜後の強度と可とう性のバランス調整や、塗膜のべた付き抑制や耐汚染性など複数の課題が解決できた
Wさんから教えてもらったサイトを見てみると、アクリルエマルションの基礎から学べ、アクリルエマルションの特徴や応用例をわかりやすく解説するページでした。
「アクリルエマルション系樹脂を扱うのは初めてだったので、ポイントが分からず困っていましたが・・・日本触媒のページは基礎から解説されていて、イラストも多かったので知見を深めることができました」と、Rさんは振り返ります。
「コアシェル構造と言って、外がやわらかく内側が硬い構造で高い造膜性がありますという記載があり、これは期待できるかもしれないとピンときました。日本触媒ではエマルションを精密に構造制御できるということで、樹脂設計面でも頼りになりそうな印象を持ち、早速問い合わせフォームで連絡をしました」(Rさん)
すると、日本触媒の製品担当者から電話があり、抱えている課題を説明すると、「当社のエマルション技術で貴社の課題を解決できると思います。一度、お打ち合わせしませんか?」とのコメントでした。
数日後、企画と研究担当者が来訪し、打合せの中で、塗膜強度や耐候性などの希望特性を詳しく説明しました。そして日本触媒で是非検討させてくださいということになり、本格的に動き出すことができました。
しばらくして、入手したサンプルを評価すると、期待どおりの塗工性や塗膜性能が確認でき、開発が大きく前進する手ごたえを感じます。 上司にも報告し、長期の耐久試験も実施しながら日本触媒のアクリルエマルション系樹脂で製品化に向かって進んでいます。