エマルション技術

エマルション技術の基礎~応用まで解説!

エマルション技術

エマルションとは

エマルションとは、水や油のようにお互いに溶けない液体のどちらかが、もう一方の液体に非常に細かい状態(液滴)に分散している系のことを言います。

日本触媒が開発・販売しているエマルションは、合成樹脂であるポリマー粒子が水の中に非常に細かい状態で均一に分散されている液体で、連続相が水となっています。そのため、ポリマーエマルションとも呼ばれます。


日本触媒では、エマルション技術の中でも、特にアクリルエマルションの設計技術を得意としています。各種エマルションのお困りごとは、こちらから当社にご相談ください。

エマルション技術の用途とは

① 塗料・コーティング

エマルション技術は、建築用塗料、工業用コーティング、紙や繊維のコーティングなどに利用されます。これにより、環境負荷を低減しながら優れた性能を提供します。

(製品例)

塗料用樹脂 アクリセット®(アクリルエマルションタイプ)

② 粘・接着剤

エマルション技術は、紙、木材、繊維などの幅広い用途の粘・接着剤として使用されます。

(製品例)

粘着剤用樹脂 アクリセット®

③ 化粧品・パーソナルケア製品

クリーム、乳液、シャンプー、コンディショナーなど、日常的に使用される多くの化粧品やパーソナルケア製品にエマルション技術が活用されています。

エマルション技術の利点とは

① 環境への配慮

エマルション技術を用いることで、有機溶媒の使用を減少させることができ、環境負荷を軽減することができます。近年、製造業が取り組みを強化するVOC排出量削減対策などに活用可能な技術です。

② 安定性の向上

エマルション技術は、油と水など本来混ざり合わない液体を安定的に混ぜ合わせることができます。エマルション技術によって、安定性の高い状態に設計できると、製品の長期保存性が向上します。また、本来水に混ざらない機能材をアクリルエマルションに内包させることで水中での安定性を高める技術も開発されております。

③ 高分子量でも低粘度

ポリマーは、エマルションの内層(油層)で丸まった構造をしているため、粘度は分子量の大きさに依存しません。

水溶性型ディスパーション型エマルション型
イメージモデル
外観透明半透明~乳白色乳白色~白色
分子量小~中
粘度分子量に関係する分子量に多少関係する分子量に無関係