
繊維の劣化・変色対策
紫外線による繊維の劣化対策。効果を持続できる技術が見つからない…
光による退色や強度低下から繊維を守るナノエマルション技術とは?
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Nano Capsule O/W Emulsions Containing UV Absorbers(UVA)
紫外線吸収剤を内包したナノサイズのエマルション
紫外線吸収剤内包ナノエマルションとは、油溶性の紫外線吸収剤(UVA)をアクリルポリマーで内包した60nm程度の微細な粒子の水分散体です。日本触媒の独自製法で、最小サイズとしては約40nmまでの設計実績があり、粒子径が揃っていることから、粗大粒子が少ないことが特長です。
紫外線吸収剤内包ナノエマルションは、従来品と比較すると沈殿や粗大粒子が少ない水分散体で、安定性が高いことが特長です。
従来品 | PT-1(=添加タイプ1) | ||
---|---|---|---|
含有UVA種 | トリアジン系1 | トリアジン系1 | |
NV(%) | 40 | 30~40 | |
UVA量/solid | 50 | 10~30 | |
含有安定性 | ×(沈殿あり) | ○(沈殿なし) | |
粒子径 | 220nm | 40~100nm (※調整可能) | |
pH | 7 | 4~10 (※調整可能) | |
Vis./mPa・s | 10 | 10~30 | |
外観比較 | ![]() | ![]() | |
粗大粒子 | 0.5μm以上 | 5000> | 38 |
1.0μm以上 | 290 | 18 | |
2.0μm以上 | 40 | 4 |
左:従来品(沈殿あり)
右:開発品(添加タイプ、沈殿なし)
紫外線吸収剤内包ナノエマルションは、従来品同等以上の紫外線吸収能の持続性を持ちます。
機能材直接添加塗膜 | 機能材内包ナノ エマルション添加塗膜 |
---|---|
![]() | ![]() |
透明感× | 透明感〇 |
紫外線吸収剤内包ナノエマルションを水系樹脂に添加することで、透明性が高いコーティング剤が調製できます。耐水性への悪影響が少ないことも特長です。
アクリル エマルション単独 | アクリルエマルション +添加タイプ1 | アクリルエマルション +従来品 | ||
---|---|---|---|---|
50℃温水白化* | ⊿E | 0.23 | 0.25 | 0.36 |
HAZE** | 0.40 | 0.29 | 1.16 |
従来品 | 開発品 | 従来品 | 開発品 | |
![]() | ![]() | 光にかざして撮影 ![]() | ![]() | ![]() UVA添加時の 白ボケが改善 |
紫外線吸収剤内包ナノエマルションは、複数の紫外線吸収剤(UVA)の組み合わせが可能です。短波長UVAと長波長UVAを組み合わせることができるため、より広い波長領域に対して耐光性を発揮します。また光安定剤との併用もできます。
添加タイプ① UVA2種併用 | 添加タイプ② UVA複数種併用 | 主剤タイプ UVA+防藻剤 +防カビ剤 | ||
---|---|---|---|---|
導入機能材 | 短波長UVA | 〇 | 〇 | 〇 |
長波長UVA | 〇 | 〇 | – | |
光安定剤 | – | 〇 | 〇 | |
防藻剤 | – | – | 〇 | |
防カビ剤 | – | – | 〇 |
紫外線吸収剤の種類の選択や併用で、紫外線を吸収したい波長の選択が可能です。
PET繊維や、プラスチック基板に対して紫外線吸収剤内包ナノエマルションを添加した樹脂をクリアーコートすることで耐候性の向上が見られます。破断や変色の抑制が可能です。
基材種 | PET fiber | PP | PC※ |
---|---|---|---|
未塗装 | 破断(測定不能)![]() | 67![]() | 9.3![]() |
アクリルエマルション単独 | 9.9![]() | 52![]() | 7.0![]() |
アクリルエマルション+ 添加タイプ1 | 5.4![]() | 1.8![]() | 0.5![]() |
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