光学フィルムの輝度向上 フィルムメーカーQ社 設計開発部

想定外に難航した、高輝度ディスプレイ用光拡散フィルムの開発

微粒子の専門家から提案!メラミン/ベンゾグアナミン樹脂の真球状微粒子、その効果とは

エレクトロニクス
樹脂改質 表面改質

解決

解決のポイント

  • 日本触媒のエポスター®シリーズは、樹脂や有機溶剤への親和性、分散性に優れたメラミン/ベンゾグアナミン樹脂を原料とした真球状微粒子

  • アクリル系微粒子と比べて高い屈折率(n=1.66)で、その添加量によって輝度の調整が容易

  • また、幅広い粒子径のラインナップ(0.1~9 μm)により、多様なフィルム設計に対応可能

樹脂や有機溶剤への親和性、分散性に優れた真球状微粒子を発見!課題が一気に終息へ

情報収集を広範囲に行っていたK氏は、ある材料商社から「微粒子の課題なら、日本触媒に相談してみては」と教えてもらいます。すぐに問い合わせて現状の課題を伝えたところ、後日、日本触媒の担当者からメラミン/ベンゾグアナミン樹脂微粒子の「エポスター®シリーズ」を提案されました。

エポスター®シリーズは、樹脂や有機溶剤への親和性、分散性に優れたメラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂を原料とする真球状微粒子です。粒子の構造由来(トリアジン環)による高い屈折率(n=1.66)を誇り、一般的なアクリル系の値1.50と比べて高く、フィルム基材との屈折率差が大きく、輝度の調整が容易でした。また、フィルム設計に合わせて粒子径を0.1~9 μmの間で制御可能という特長を兼ね備えていました。

K氏は、提供してもらった粒度分布の異なるいくつかのサンプルを使用して、試作品を評価してみました。その結果、Haze、全光線透過率、光拡散性などのバランスに優れた試作品が完成しました。
早速、共同開発に参画している関係者にも確認してもらったところ、輝度及び光源隠蔽性共に上々の評価をもらうことができたのです。

現在は、日本触媒にアドバイスをもらいながら、完成に向けてフィルム構成の微調整を行っています。

課題解決ソリューション

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