プラントでの排水処理方法探索 エンジニアリング会社X社 プロセスエンジニアリング部

燃料費を削減して、CO2排出量も抑制する排水処理方法が見つからない…

燃料費を大幅に削減!今必要とされる排水処理用「触媒技術」の魅力とは?

環境・水処理
環境対応 吸収・放出

日本や海外でプラント建設や保守などを行うエンジニアリング会社X社のエンジニアSさんに営業部門から相談が持ち掛けられた。担当するプロジェクトで、昨今の燃料価格高騰に対応して燃料を大幅に削減できる排水処理の要望を受けているとのことであった。

※本事例は想定事例ですが、似たようなお悩みの方々へのご参考として掲載しています

課題

燃料費の削減ができて、コンパクトな設備の排水処理方法が見つからない…

エンジニアリング会社X社のSさんは、プロセス設計部門に所属するベテランエンジニアで、プラント設備の選定・設計を担当しています。

ある日、Sさんに営業担当者からこんな案件が持ち込まれました。

「担当している化学プラント新設の案件で、昨今の燃料費高騰に対応した排水処理設備を提案して欲しいと要望されています。稼働時の燃料費削減だけでなくCO2排出も抑制できて、設備としてコンパクトなものを希望されています。何か提案できる排水処理方法はあるでしょうか」とのことでした。

(最近、燃料費削減やCO2排出削減といった要望が多い。これまでの排水処理方法の代わりとなって、要望に応えることができる処理方法はあるだろうか…)Sさんは排水処理方法の調査を始めました。

排水処理設備の検討は、各国・地域ごとの排水基準をクリアすることに加えて、環境負荷や設備導入にかかるイニシャルコスト・稼働時のランニングコストも十分に考慮する必要があります。

これまでX社の実績としては、焼却処理や生物処理がありました。焼却処理は高濃度排水をはじめ幅広い排水に対応可能なものの、燃焼のために燃料費がかかり相当量のCO2を排出します。また、燃焼条件によってはSOx、NOxが排気ガスに含まれ、これらを処理するコストが追加でかかるといった課題があります。

一方、生物処理は、低濃度の易生物分解性の排水に適していますが、微生物などを利用して分解処理するために一定時間処理槽に貯めることが必要です。そのため大きな貯留槽(プール)が必要で、設置スペースが広大となる場合が多くなります。また排水中の有害物の種類によっては処理できない、あるいは効果的に処理するため多量の水で希釈しなければならないという制約もありました。

さらに、どちらの方法も処理工程において運転管理のため、一般的に専任オペレーターが必要で人件費がかかります。

Sさんは、カーボンニュートラル社会を見据えたCO2削減や省スペースでコンパクトな処理設備は、顧客への提案において大きなアピールポイントになると考え、新たな排水処理方法の必要性をさらに深めていきました。

課題のポイント

  • 燃料費高騰に対応して燃料費を大幅に削減でき、CO2排出を抑制するコンパクトな排水処理設備の要望があった

  • 従来の焼却処理や生物処理では、求められる燃料費削減や省スペースという要望を満たすことができなかった

  • 専任オペレーターを必要としない安定的な処理も求められていた

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