合成界面活性剤の低減と洗浄剤の濃縮化 洗浄剤製造V社 研究開発部

環境をコンセプトにした新洗浄剤に必要な洗浄助剤がどうしても見つからない…

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生活関連材
環境対応 耐久性・安定性

「高い洗浄信頼性と環境を考えた洗浄剤」をコンセプトに、新商材を開発することになったV社。業界内でも、サステナビリティやSDGs対応が注目されており、取引先からの問い合わせもこのところ増えていた。ところが、開発途中で、ある問題に突き当たっていた。

課題

合成界面活性剤の使用量低減と、洗浄剤の濃縮化という2つの壁は想定以上に高くて…

問題というのは、合成界面活性剤の使用量を低減することと、洗浄剤の濃縮化についてでした。このときの状況を開発リーダーのM氏は次のように語ります。
「環境対策をうたっているので、洗浄剤に含まれる合成界面活性剤、特に合成アニオン界面活性剤の使用量を可能な限り減らしたいと考えていました。しかし一方で、使用量を減らすことによる洗浄力の低下が当初から懸念されていました」
実際に、洗浄剤に含まれる各成分の配合比率調整や、各種、洗浄助剤の添加などを検討しては評価を繰り返しました。ところが、期待する洗浄性能を維持することはできませんでした。

「もう一つの課題は、洗浄剤を濃縮化することでした。性能を保ちながら容器のコンパクト化が見込め、商品輸送時のCO2削減などの効果が期待されるため、実現したかったです」(M氏)
M氏たちを悩ませたのは、配合比率調整と同様、添加する洗浄助剤によっては液体の混ざりやすさや配合の安定性にバラつきがでてしまうことでした。同様に、試作品を作っては評価を繰り返しましたが、満足のいく結果には程遠い状況だったのです。

合成界面活性剤の使用量低減と濃縮化という2つの高い壁に囲まれ、完全にお手上げ状態のM氏。双方の効果を実現できる洗浄助剤はどうしても見つからず、この状況になす術もありませんでした。

課題のポイント

  • 合成アニオン界面活性剤の使用量を可能な限り減らしたいと考えていたが、洗浄性能を維持できる配合比率や洗浄助剤の選択が難しい

  • 濃縮化についても、添加する洗浄助剤によっては液体の混ざりやすさや配合の安定性にバラつきがでてしまう

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