合成界面活性剤の低減と洗浄剤の濃縮化 洗浄剤製造V社 研究開発部

環境をコンセプトにした新洗浄剤に必要な洗浄助剤がどうしても見つからない…

ブースト効果と優れた相溶性を持つポリエチレンイミンエトキシレートの可能性とは?

生活関連材
環境対応 耐久性・安定性

解決

解決のポイント

  • 日本触媒のポリエチレンイミンエトキシレート「PN-100」を洗浄助剤とすることで、合成アニオン界面活性剤と共存し洗浄力を上げる効果を発揮

  • 界面活性剤の濃度が高い洗浄剤溶液に対しても、「PN-100」は相溶性が優れているので洗浄剤の高濃度化を実現

洗浄力の維持と濃縮化の2つを可能にした洗浄助剤で、環境に優しい洗浄剤が現実的に!

解決策を探していたM氏は、ある会合で知り合いの研究員から、日本触媒のポリエチレンイミンエトキシレート「PN-100」の情報を聞き付けます。すぐに日本触媒に問い合わせて、現状の課題を相談したところ、後日、PN-100の説明とサンプルを提供してもらうことになりました。
「説明を聞いているうちに、PN-100を早く評価したいという気持ちが高まりました。 PN-100はすでに衣料用洗剤の用途で豊富な採用実績がありました。期待したのは、合成アニオン界面活性剤と共存することで洗浄力を上げる効果(ブースト効果)です。各種界面活性剤との高い配合安定性と、他成分の効能を阻害することが少ないことから配合設計の自由度が高いという特長にも興味がわきました」(M氏)

PN-100の添加により界面活性剤の基本物性である臨界ミセル形成濃度が下がり、界面活性剤の濃度を減らしても表面張力低下能を維持できるのです。また界面活性剤の濃度が高い洗浄剤溶液に対しても相溶性が優れているので、洗浄剤を高濃度化することが可能でした。その結果、環境への影響が懸念される合成アニオン界面活性剤の使用量を低減しても、従来と同等の高い洗浄性能維持が見込めるのです。

M氏は、すぐに製品を提供してもらい検証を行いました。すると今まであれだけうまくいかなかった洗浄性能の維持について解決が見えてきたのです。何度か検証した結果を他のメンバーにも見てもらいましたが、結果は上々でした。多少の調整は必要でしたが、当初、目標としていた洗浄性は担保できそうでした。また、洗浄剤の濃縮化についても、計画値以上の結果となり、容器のコンパクト化が期待できました。

PN-100に手ごたえを感じたM氏。現在は、製品化に向けて最終の評価、検証を進めています。

課題解決ソリューション

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