基板材料との密着性 電子部材メーカーJ社 研究開発部

高速・大容量通信に対応可能な高性能プリント配線板のニーズに応えたい…

低誘電基板材料と低粗度銅箔の接着性向上が実現のカギ

エレクトロニクス
密着・接着・粘着 樹脂改質

解決

解決のポイント

  • 日本触媒が開発したポリマーの「ポリメント」は1,2級アミノ基の効果によって幅広い材料との密着性向上が可能に

  • ポリメントをプライマーとして使用したところ、難しかった低誘電材料と銅箔との密着性が改善

基板材料と銅箔の接着性が改善、高速・大容量通信向け基板の開発に目処がついた

情報収集を進める中、A氏は取引のある化学系商社の担当から、銅などの金属の接着に日本触媒の「ポリメント」が有効だという話を聞きつけます。興味を持ったA氏は、すぐに日本触媒に問い合わせてみました。

ポリメントは日本触媒のみが製造販売するポリマーで、1,2級アミノ基のN-Hに由来する水素結合によって幅広い材料との高い密着性が期待できるとのことでした。また単独で強度のある膜を形成でき、接着剤、プライマーのどちらでも適応できます。このポリマーを使えば抱えている課題が解決できるかもしれないと、A氏は期待しました。

早速、日本触媒からサンプルを提供してもらい、プリント配線板を試作しました。
「ポリメントをプライマーとして銅箔に塗工することにより、あれだけ難しかった基板と銅箔との密着性が大幅に改善したのです」(A氏)

A氏ら開発チームはこの結果に可能性を見出し、ポリメントを使用して開発を進めることを決定しました。チームは基板材料と銅箔の接着という課題に目途をつけたことにより、製品化に向けてさらに改良を図るべく開発を進めています。

今回の高性能プリント配線板の課題解決が見えたことで、A氏は接着剤の新たな開発テーマに取り組むことにしました。
「当社でも生産性の向上に加え、環境問題や省エネへの対応を考えていかなければなりません。中でもVOC低減は幅広い分野の顧客から求められながら、VOCフリーと密着性を両立できる材料は見つかっていませんでした。今回、VOCフリータイプの接着剤開発を進めるにあたり、新規に開発したVOCフリーの水系ポリメントを日本触媒から提案され、サンプルの提供を受けて検討を進めています。水系ポリメントの利用により、高い密着性に加え、塗工時の環境負荷や溶剤回収/乾燥設備コスト低減などの効果が期待されています」(A氏)

課題解決ソリューション

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