アクアリック®FH
ポリアクリル酸ナトリウム(食添用)
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グルテンフリー食品の開発 食品メーカーN社 商品開発部
「つなぎ」と「水を抱える」メカニズムで実現!
食品メーカーN社の商品開発部に所属するGさん。同社は、健康意識の高まりや、小麦アレルギー・グルテン過敏症への関心が広がる中で、国内のグルテンフリー市場が今後拡大していく可能性を見込み、グルテンフリー食品シリーズの新規立ち上げを決定します。先行して市場を作る事業戦略のもと、複数のラインアップを準備することが決まりGさんは主力製品を担当することになりました。
※本事例は想定事例ですが、似たようなお悩みの方々へのご参考として掲載しています
Gさんが担当することになった製品はパンとドーナツの2アイテムで、消費者が小麦を使った定番商品を食べ慣れているカテゴリーである上に、食感やおいしさへの期待値が高い領域です。
シリーズ立ち上げにあたり、Gさんたちはまず原料の選定から取り組みました。グルテンフリーで、かつ量産に耐えうる原料候補として、主原料に米粉を選定しました。しかし、原料が決まった後の食感設計で、Gさんたちは大きな壁にぶつかることになります。
「小麦粉のパンがもっちりしっとりするのは、グルテンというたんぱく質のネットワークが、弾力と水分保持の両方を担ってくれるからです」(Gさん)
一方、グルテンを含まない原料では、このネットワークが得られません。また、米粉は小麦粉よりも水分保持が難しい、乾燥しやすい水を吸いにくいといった傾向があるため、生地がパサつく、もっちり感・弾力が不足する、生地がまとまりにくい、冷凍耐性が不足するなどといった問題が発生します。
「ここまで見えてきた課題に対して、まずは生地の中でグルテンの役割を担ってくれる素材はないか、探すことにしました」(Gさん)
各種調査の結果、Gさんたちは、グルテンフリーの生地改良でよく使われる増粘多糖類を用いた試作に取り組みました。まず、保水性の付与に広く使われるキサンタンガムを配合します。しっとり感は出せたものの、生地内層が粗くなり、くちどけが悪く、ボリュームも出にくい傾向が見えてきました。
次に、グルテンに近い弾力・伸びが得られるオオバコ種皮粉末を試します。弾力は改善したものの、今度は生地内部がガム質になりやすく、表面が硬くなるという別の課題が現れました。
さらに、ふんわりとした膨らみを出せるHPMCなども組み合わせて検討を重ねます。しかし、これらの素材を用いて検討しましたが、今回の処方と製造条件では、開発チームが目標とする弾力、保水性、口どけのバランスを十分に得ることができませんでした。
「増粘多糖類は、水を抱えてしっとりさせるのは得意です。しかし、グルテンのように”たんぱく質同士をつないで弾力を生む”働きまでは担えないことが見えてきました。小麦粉特有の”もっちり”には一歩届かなかったんです。さらに素材を追加する形で、食感を整える必然性を感じました」(Gさん)
開発スケジュールがタイトな中、Gさんは焦りを感じます。
グルテンフリー食品の主力製品となるパンやドーナツは、消費者が小麦品の食感に慣れており、「もっちり」「しっとり」の再現が求められる
主原料の米粉はグルテンによる粘弾性ネットワークが得られない上に、水を吸いにくく乾燥しやすいため、パサつきや弾力不足などの傾向がある
キサンタンガム・オオバコ種皮粉末・HPMCなど定番の増粘多糖類では、弾力・保水・くちどけのいずれかが崩れ、食感のバランスを取るためには、さらなる素材探索が必要となった

「アクアリック®FH」(ポリアクリル酸ナトリウム)は、たんぱく質の結着性を強め、生地中の水分を均一に保つ2つの機能を担うことができる素材
アクアリック®FHはグルテンの粘着性を高めることが知られており、増粘多糖類とアクアリック®FHを併用することで「もっちり」「しっとり」の食感再現に一定の目処が立った
顆粒・粉末の2タイプが用意されており、処方や製造ラインに合わせて選択できる
Gさんは、増粘多糖類に組み合わせる新たな素材を探すため、食品関係の展示会に足を運ぶことにしました。そこで目に留まったのが、日本触媒のブースです。「たんぱく質の結着性を強める」「水分を保持する性質を有する」機能を持ち、麺のコシを付与できる素材としてポリアクリル酸ナトリウムを紹介していました。
展示ブースで担当者にこれまでの経緯を相談すると、アクアリックFHは、食品添加物用途向けグレードのポリアクリル酸ナトリウムで長年食品向け素材としての使用実績があり、麺のコシを付与する用途以外にも、パンやドーナツの処方の中でも活用できる可能性があるという話が聞けました。また、使用基準としては、食品に対して0.2%以下であるということでした。
Gさんは、「たんぱく質のつなぎ」と「抱水性」を1剤で担える素材であることに魅力を感じ、その場で顆粒タイプと粉末タイプのサンプル依頼をし、試作の段取りを進めます。
「アクアリックFHをこれまでの処方に追加したところ、今まで苦労していた、もちもち、しっとりの再現に一定の目処が立ちました。粉末タイプの方が使いやすそうな感度です。更なる改良は必要かと思いますが、この段階で会議に試作品を提示して、担当者に評価してもらう予定です」(Gさん)
現在Gさんたちは、アクアリックFHを配合した試作品をさらに改良する形で、シリーズ立ち上げに向けた最終調整を進めています。
掲載製品は食品用途向け製品です。食品添加物として使用する際は、お客様にて適用法令および最終製品への適合性をご確認ください。