車載ディスプレイの反射防止 フイルムメーカーK社 研究開発部

車載ディスプレイの反射防止対策。透明性を重視した設計で反射防止を可能にするジルコニアナノ粒子分散液とは?

反射防止層の設計自由度を広げる「高屈折率×透明性」

エレクトロニクス
表面改質 耐久性・安定性

フイルムメーカーK社のSさんは、光学フイルムなどの開発を担当。現在、車載ディスプレイ向けフイルムの反射防止性能を高める新たな製品開発に取り組んでいる。

課題

課題のポイント

  • 車載ディスプレイ用フイルムにおいて、透明性を損なわずに反射防止効果を高めたい

  • 反射防止層の屈折率を、車載ディスプレイに適した範囲で最適化できるようにしたい

  • 車載用途で求められる耐熱・耐光・耐湿熱といった厳しい信頼性試験にも耐えられる反射防止層を設計したい

反射防止層(AR層)は、外光の反射を抑えながら、ディスプレイ内部からの表示光を効率よく透過させる役割を担う光学機能層です。

車載ディスプレイの多層構造と各層の役割

各層の役割を最適設計して、高品質なディスプレイを実現

AR層は、UV硬化樹脂をマトリックスとし、その中に高屈折率のナノ粒子を分散させた複合層です。そのため、AR層の性能は、層全体の屈折率や膜厚といった設計値だけでなく、ナノ粒子が樹脂中で均一に分散しているか、またさらに粒子と樹脂の界面が安定しているかといった材料設計にも大きく依存します。

AR層の屈折率や透明性の設計幅は、採用するナノ粒子材料の特性に大きく左右されます。そこでSさんは、ナノ粒子の探索から始めることにしました。WEBページで探していると、高屈折率材料として「ジルコスター®」という製品を見つけます。

魅力を感じたSさんは、日本触媒に問い合わせをしてみました。

課題解決に適したナノ粒子材料

  • 溶剤分散タイプ ジルコスター®ZP-153

  • モノマー分散タイプ(無溶剤) ジルコスター®HR-101

解決

解決のポイント

  • 高屈折率微粒子として、溶剤タイプ・無溶剤タイプを用途に応じて選択可能

  • ナノ粒子分散安定化技術によりUV硬化過程における粒子凝集を抑制し、AR層に必要な透明性を確保

  • UV重合性官能基による粒子/樹脂界面の安定化により、硬化後の構造安定性に配慮

早速Sさんは、日本触媒と面談を行いジルコスターについて営業担当から概要を聞きました。

ジルコスターには複数のラインアップがあり、配合条件に応じて使い分けが可能との説明を受けました。高屈折率のジルコニアナノ粒子を均一に分散でき、AR層に必要な透明性を確保しやすい点が特長だといいます。

また、粒子一つひとつの表面にUV重合性官能基を緻密に導入することで、硬化後は樹脂マトリックスと一体化しやすい設計としています。これにより、構造安定性に配慮し、耐熱・耐光・耐湿熱といった車載用途で重視される信頼性を考慮した光学層設計が可能とのことでした。

説明を受ける中で可能性を感じたSさんは、ジルコスターを用いた反射防止層の評価に取りかかることにしました。

課題解決ソリューション