コハク酸二ナトリウム(SS50®)
コハク酸二ナトリウム
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シーフード系食品の開発 食品メーカーE社 商品開発部
貝のおいしさを引き立てたい!有機酸の活用が味設計のキーに。
コンビニエンスストア向けにチルドのスープ・惣菜を開発・製造している中食メーカーE社。商品開発部のSさんは、定番人気のチルドスープの新ラインアップとして「クラムチャウダー」の開発を担当することになりました。
※本事例は想定事例ですが、似たようなお悩みの方々へのご参考として掲載しています
Sさんは、当時の様子をこのように振り返ります。
「コンビニ本部のバイヤー担当者から、顧客は手軽さだけでなくご褒美としても楽しめる本格的なおいしさを求めているため、魚介のおいしさを十分感じられるスープにしてほしいという要望がありました」(Sさん)
そこでSさんたちは試作に着手しますが、ここで技術的な壁に直面します。
クラムチャウダーにはあさりやあさりエキスを使用していますが、天然由来の原料は産地や漁期によって風味に差が出やすく、ロットごとのばらつきを抑えながら、狙った魚介のうまみを安定して出したいという思いがありました。
また、うまみの設計にはグルタミン酸ナトリウム(MSG)も用いていましたが、MSGはアミノ酸系のうまみで、あさりのうまみの核となる有機酸系のうまみとは系統が異なります。そのため、これらの組み合わせだけでは貝ならではのコクや余韻を強調しきれず、Sさんたちが目標とした味には届きませんでした。
さらに、クラムチャウダーならではの難しさもありました。クリームのコクが強いぶん、あさりの風味がそこに負けてしまい、貝らしいうまみをどう際立たせるかという壁も見えてきました。
「おいしさの軸となる成分を、安定した品質で組み合わせられなければ、狙った味を毎回つくることはできない状況に、行き詰まりを感じました」(Sさん)
レシピの再現性まで見据えた設計の必要性を感じたSさんは、貝のうまみを出せる素材の探索をすることにしました。
コンビニで気軽に買える、魚介類のおいしさにこだわった本格的なクラムチャウダーの開発依頼があった
あさりエキスは天然由来ゆえロットで風味に差が出やすく、グルタミン酸ナトリウムを軸にした設計だけでは魚介らしいうまみを安定して立たせにくい
クラムチャウダーはクリームのコクが強く、魚介の風味が負けやすいため、貝らしいうまみをしっかり立たせたい

コハク酸二ナトリウム(SS50®)は貝らしい味の設計が可能で、シーフード向けに適したうまみ成分
うまみの相乗効果を期待して、SS50はグルタミン酸ナトリウムと併用されることがある
溶解度が高く扱いやすいため、製造工程中でも取り扱い方法を検討しやすい
貝のうまみを引き出せる素材を探していたSさん。そんなとき、以前から魚介系の商品開発を手がけていた先輩社員に相談したところ、こんなヒントをくれました。
「あさりのうまみは有機酸系だから、グルタミン酸ナトリウムだけだと厚みが出にくいんだよね。前に貝の赤だしにコハク酸二ナトリウムを少し加えたら、しじみやあさりの後を引くうまみがぐっと立ったんだよね。たしか日本触媒の製品だったと思うよ」
Sさんが調べてみると、その素材はコハク酸二ナトリウム(SS50)という製品でした。あさりなど貝類特有のうまみ成分として知られる有機酸系の呈味成分で、グルタミン酸ナトリウムと併用するとうまみの相乗効果があるとWEBページで紹介されていました。
早速Sさんは日本触媒に連絡してサンプルを入手し、評価を始めます。
「味の面では、グルタミン酸ナトリウムにSS50を組み合わせることで、あさりのうまみに厚みが出て、貝らしいおいしさが感じられました」(Sさん)
「さらに、SS50は使い勝手が良かったです。溶解度が高くて溶けやすいので、スケールアップ時にも扱いやすい原料だという印象でした。古くから販売されている合成品であり純度が高く、供給安定性や品質にも定評があるという話も担当者から聞き、安心感がありました」(Sさん)
Sさんは、コハク酸二ナトリウムを用いた試作品を、次回の会議にて関係者に提示しようと考えています。