機能材の水中含有安定性 インキ・コーティングメーカーN社 技術開発部

VOCフリーへの対応。水系化のため機能材を水に分散・安定化させたいが…

耐久性が向上、機能が向上!疎水性機能材を水中で安定に分散させることができる、画期的なナノエマルション化技術

塗料・コーティング
環境対応 耐久性・安定性

解決

解決のポイント

  • 機能材内包O/Wナノエマルションは、疎水性機能材をアクリルポリマーで包み込んだO/Wエマルションの技術

  • 水中で40~150nmの微細な粒子として分散しており、機能材の水中安定性、粒子の分散安定性に優れる

  • 水以外の揮発分を含まず、包み込むポリマーの設計により、様々な機能を付与することも可能

独自のナノエマルション技術で、機能材の水中での安定分散を達成し、技術開発が大きく前進!

開発チームのメンバーがある展示会で日本触媒のブースに立ち寄った際に、面白い技術の紹介を受けました。それは日本触媒が独自開発した機能材内包O/Wナノエマルションという技術でした。技術リーフレットを読んだ、開発チームのT氏はこの技術に可能性を感じ、早速、日本触媒の担当にアポを取り、詳細を聞いてみることにしました。

日本触媒の担当によると、この技術は、疎水性機能材の低粘度な水分散体を実現できる技術であり、粗大粒子が少なく微細な分散状態が達成できるとのことでした。そのため、このエマルションを配合した水系樹脂の透明性も高くなるとのことでした。

「機能材を有効性分として約30%(固形分)の割合まで含有できるケースもあること、日本触媒のポリマー設計技術により、例えば、耐久性に課題のある染料を内包させることにより、その劣化を大幅に抑制、香料などを内包させた場合には、徐放性の効果を発現させて、効果の持続性向上も期待できることに、大変興味が湧きました」(T氏)

T氏は、日本触媒との面談で自社の抱えている課題について相談してみました。すると、担当者からO/Wナノエマルション技術で解決できる可能性が高いとのことで、両社で共同して研究に取り組むことになりました。
現在、日本触媒に染料と香料のサンプルを提供して、内包エマルション化に取り組んでもらっています。先日のミーティングで、日本触媒からエマルション化は順調にできているという報告を受け、N社では、試作した内包エマルションを使用して、新しい製品の検討を行っています。

課題解決ソリューション

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